グアムの話
これはまだ三男坊が生まれる前のお話。
更に言うと、グアム最高ー!とかなんかこうキラキラした感じの旅行記ではなく、基本ネガティブ一辺倒でお送りする、そんなお話。
うちの夫婦は、結婚、出産、引っ越し、転職がフルコンボだドン!ってぐらいキレイに揃ったので、新婚旅行なんてものは一切なかったんです。
それを見かねた義母が、子育てもひと段落ついたでしょうってタイミングでグアム旅行をプレゼントしてくれたんですね。ありがたいことに。ただ、
もう超不安で。
僕は小学生の頃、飛行機落ちるから海外行きたくない!うちの親を止めてくれ!って担任に懇願してた(実際乗ってみたら快適な空の旅を提供していただきました)くらいの心配性なんですが、今回の飛行機、20年前に乗ったのと比べると、セスナかな?ってくらいのサイズ感&ヴィンテージ感で。
あー、落ちるの今回かー。そっかそっか。って思って。
まぁ当然落ちなかったんですけど。
というか酔い止めが。すごいポテンシャルのやつで。なんかもう小五郎のおっちゃんかな?ってくらい寝倒したんで、落ちる落ちない以前にあんまり記憶もないんですけど。
空港に到着してからは、税関とか荷物の回収はスムーズに終わりました。中川家礼二みたいなおじさんはいませんでした。
ただ、マークハントがいっぱいいました。ポケットWi-Fi借りる所に。
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Wi-Fiとサモアンフック、今夜のご注文はどっち!?って雰囲気でしたので、妻にその場を任せ、というか向こう四日間全てを任せようと心に誓い、そっと後退りしました。
それ以降はどこに行っても日本語は通じるし、特に不自由なく、「あー、もう英語話さなくていいし、快適だなー。」なんて思って油断してた所で事件は起きました。
その日も相変わらず妻に先陣を切ってもらい、僕は殿をつとめるというレディーファーストスタイルで行軍していたんですが、バスに乗った時に僕だけ止められまして。
妻&長男次男は僕が止められてるなんて知らないので、奥の方にスタスタ行ってしまい、一方の僕はドライバーに捲し立てられて。
捲し立てるドライバーと出発しないことにざわつく車内。白目の僕。背を向けているマイファミリー。
周囲の視線が刺さりまくりで、僕弁慶だっけ?って、くらいの立往生してました。
ただ、どこの世界でもメシアってのはいるもので。
白目剥いてる僕に、
「上に置いとき。って言うてる。」との声が。
振り向くと、若いカップル。関西弁の。ここでは便宜上、平次と和葉とします。
平次曰く、どうやらベビーカーを奥まで運ぶの大変だから、運転席の傍の台に置いといていいよ。とドライバーは言ってるとのこと。
それをベビーカー抱えて白目剥いてるからイライラして捲し立ててる。だからベビーカーを早く置きなさいと。
西の名探偵の言う通りに台の上にベビーカーを置きましたらば、バスが無事出発しまして。
ドライバー、平次、和葉に感謝をなんとなく伝え、和葉が「平次すごいやん」みたいな事言ってラブラブしてるのが聞こえた辺りから記憶飛びました。
いやー、ほんとにもう恥ずかしかった。捲し立てられたこともそうですが、颯爽と出てきた若者に救われたことも恥ずかしかった。平次もあれかい?なんでもかんでもハワイで親父に習ったとか言っちゃうタイプかい?ズルいわー。
飴と鞭って、タイミングによっちゃ飴のがきついなーって思いました。すごく助かりましたけど。
そして、この世界の共通言語はやっぱり笑顔じゃなくて英語だなーって思いました。
勉強しよっと。
高橋優 「福笑い」